少し気になっていた、家から一駅先のバーに行くことにした。
バーにしてはラフな雰囲気で、仕事の疲れを癒すのに丁度よさそうだった。
そこで起きてしまったはじめての一目惚れ…みたいな感覚。
どこかの誰かが言っていた、稲妻みたいななにかが、身体中を駆け巡ることはなかった。
だから、一目惚れって言っていいのかはよくわからない。
ただ、声も、眼差しも、あまりに心地よく私の中に入ってくるから
彼がまとう空気の暖かさに包まれていたいと、求めてしまう。
「これ、美味しいです」
「ほんと?よかった」
少し照れくさそうには微笑む彼に、平然を装って微笑み返した。
身体に流れ込んだ、甘くて、少しスパイスの効いたカクテルが、頬を赤く染めていく。
目と目は合ったまま、柔らかい空気がふたりをまとっていた。
あぁ、ちょっと…
そんな優しい顔であんまり見ないでください…
照れてグラスに落とした目線。
でも彼はまだそこにいて、また、瞳が引き戻される。
彼の柔らかい視線が、もう一度、私の瞳に注がれていく。
シャイなバーテンダーと恋に落ちた女にとって、こんな時の話の切り出し方を探すのは、宇宙を解明するよりも難しい。
「おうっ!トオルぅ!久しぶりぃ!」
バーカウンターの端の方から男の声がした。
彼の瞳が少し大きく見開かれ、声の方向に体を向けた。
「おう!来てくれたんだ、その辺座って」
トオルさん…っていうんだ。
仕事の疲れを癒しに来たというのに、私はとんでも無いな病にかかってしまったようだ。
ふと時計を見ると終電の時刻が迫っていた。
歩けなくもない距離だが、12月下旬の寒さには耐えられる気がしない。
「あの、すいません終電が…」
「あっそうなんだ、わざわざ来てくれたんですね、ありがとう」
「いえいえそんな、一駅なので、また来ます」
「あ、そっか…うん、またゆっくりしにきてください」
ゆったりとした話し方。会計をしながらしたそんな会話でさえも、愛おしく思えた。
「ごちそうさまでした」
「ありがとう、お気をつけて」
店から外に出ようとした時、後ろから彼の友達の、笑いを堪えるような声が聞こえた。
「お前、わかりやすすぎ」
お前もかい、つって
これをインスタで投稿したのが2022年の12月24日
昔の投稿を2024年になった今、せっせとここに移してるところなんですが
改めて見返すと、バーの話なのに手元の写真は昼間に撮ったものだったりして
まだちょっとフィルムと散文が融合し切れてない感じがしますね
応急処置として夜感を出すためにインスタには入れてなかった暗がりの電球を差し込んでみました
こうすることで、手元の明るさは恋が芽生えた時の心情を光で表現した感じになったと思います確実に(強引)
宿木は聖夜の夜だからまだいいけれど、話の中にも入れたいなー(止まらない反省)
model… @akipiyomnb
宿木… @moca.avenir
ゲストは大好きな可愛い友人のおふたりでした、いつもありがとう
一目惚れ(ひとめぼれ)稲妻(いなずま)駆け巡る(かけめぐる)眼差し(まなざし)微笑む(ほほえむ)平然を装う(へいぜんをよそおう:なんて事ないフリ)その辺(そのへん)癒し(いやし)病(やまい)愛おしい(いとおしい)堪える(こらえる)
自業自得(じごうじとく:自分のせい)煌めく(きらめく:キラキラ〜)あらんことを(ありますように〜)
自由が丘にある綺麗な複合施設と「トレンチ自由が丘」の2Fにある”amber”というカフェ
1Fは飲食店や雑貨屋があって、
2Fは、(tefu) jiyugaokaが運営している、むっちゃ開放的なカフェ(amber)やポップアップなんかができるレンタルスペース、
ガッツリ出勤する場所が作れちゃうシェアオフィスに、ラウンジって呼ばれてる要するにコワーキングスペースが並んでいます
この日は、上でもちらっと紹介した宿木のお花屋さんのポップアップとワークショップのお手伝いでレンタルスペースも利用しました
洗練された雰囲気がこの街にピッタリで素敵でしたね
クリスマスリースのWS(ワークショップ)だったけど楽しかったな
このお花屋さんのmocaさんは妖精みたいな人で
ほんとに森にいたりするんですよ
たまにこうして森から出てきて都会にオアシスを作ってくれてるので、気になる方はmocaさんのインスタフォローしてみてください