くらげ

プールにぷかぷか浮いていたい。
クラゲみたいに水の中をふわふわとさまよいたい。

ひさしぶりのひとりの時間。
雨の音を聴きながらごろごろしてる。
物語のつづきを読み始める。

ああ、昔からこういう時間が好きだった。

声のない時間。
蝋燭の灯火。
テレビも蛍光灯もいらないの。

ページをめくる音が雨音の中に溶けていく。
雨の中の月はまるで海をさまよう海月のよう。

あとがき

タイトルの「くらげ」は可愛らしくて柔らかい動きを見たときの感覚と日本語の”ひらがな”の柔らかさがピッタリだったので、ひらがなにしました

文中の「水の中のクラゲ」は生物としてのクラゲなので”カタカナ”で

文末の「海月」は雨の中の月の比喩

にほんごであそぼ、しましました

写真の場所は

神奈川県藤沢市の『新江ノ島水族館』です

幻想的な演出でふわふわと泳ぐクラゲは “クラゲファンタジーホール” で見ることができます

年パスがお得すぎるんだよ